時間割美容のモットーは、時間効率。
「時間も手間もお金もかけず、効率よく確実に美しくなること」です。
その最たるものが、10分ガム。
夕食の10分前に、10分間ガムを噛む。たったこれだけで、
・左右対称の美人顔
・しわ、たるみ予防
・幸せホルモンが増える
・ダイエット
と、こんなにも嬉しい効果が期待できます。
10分ガムは、私の講演でも必ず話すテーマ。簡単に実践できることから、朝ごまトマトジュースに次いで人気のある美容法。前編は「左右対称の美人顔効果」と「しわ、たるみ予防」についてお伝えしますね。
ヒトはなぜ、「左右対称」が好き？
「左右対称は美人の条件」といわれますが、これはなぜでしょう？
以前は、「種の保存」のためと言われていました。種を絶滅させないためには、優れた繁殖相手を選ぶ必要があります。左右対称性が高い人ほど健康で、病気への抵抗力もあることから、「この人となら、良い遺伝子を残せそう！」と、魅力的に見えるというわけ。
この「良い遺伝子仮説」は、これまで進化心理学で支持されてきました。ところが今は、「どうやら違うらしいぞ」と言われています。2014年に行われたイギリスの研究で、顔の対称性と健康には関連性がないことが示されたからです。
では、ヒトが左右対称のものを好む理由はなんでしょう？
今言われている説は、「脳がラクできるから」です。なんじゃそりゃ〜！？
ですが、理屈を聞けば納得できます。鋭い爪も牙も持っていないヒトがこんなに繁栄することができたのは、大脳を極端に大きくしたから。「ヒトの武器」ともいえる大脳は、仕事や勉強だけでなく、情報処理や身体の機能調節など、毎日フル回転。そのため大脳は常に「ラクしたいなぁ」と思っています。
そんな大脳にとって、左右対称は処理がらくちん。だって半分の情報だけで済んじゃうから。
つまり顔半分を見るだけで、残り半分がどうなっているかは推測できるため、脳にとって作業がラク。だから好むのです。
何だかびっくりしちゃうけど、納得する面もありませんか？例えば人から説明を聞くとき、話が長くてわかりづらい人よりも、端的にわかりやすく伝えてくれる人の方が好感持てますものね。
そこで、10分ガムなのです！
鏡チェックをしよう！
この写真は、六車奈々の美人塾で鏡チェックをしている一枚です。
まずは鏡を見て、自分の顔をチェックしてみましょう！
まっすぐ鏡と向き合って顔を見たとき、
右の口角、左の口角、同じ高さにありますか？
右の頬骨、左の頬骨、同じ位置にありますか？
完璧な左右対称も極端に違う人も少ないとは思いますが、少しアンバランスな人は、これまで私が講演で見てきた中でも結構いらっしゃいます。
「片方が少し下がっているかも？」と思ったあなた。もしかしたら反対の歯ばかりで、噛んでいませんか？虫歯や噛みぐせで片方の歯ばかりを使っていると、左右の筋肉に偏りが出てきてしまいます。
長年の積み重ねが、しわの数に！！！
私は以前、「顔のしわの数を調べる」というロケをしました。しわのばしクリームの撮影でしたが、すごい機械に出会いました。なんと顔を乗せるだけで、しわの総数がわかるというもの。
ロケには数人の女性が参加されましたが、お一人が驚く結果でした。その女性は70代。しわの総数は220本ほどでしたが、右が約140本、左が約80本。左右差は60本以上にものぼったのです！私はすぐに、女性のもとへ行き、こう尋ねました。
「左の歯ばかりで噛んでいませんか？」
すると女性は驚いた様子で、
「どうしてわかるんですか？実は、右にブリッジがあって…。噛むのが怖くて、左ばかりで噛んでいます。」
と答えたのです。つまり何年も片方の歯で噛み続けたことによって、こんなにも左右差が生まれたのでした。その女性には、「まずは歯医者さんに行ってください！そして両方の歯で噛むようにしてくださいね。」とお伝えしましたが、これまで私が講演で言い続けてきたことを、目の当たりにした出来事でした。まさに日常を見直すことの大切さですよね。
鏡チェックで左右差があった人は、毎日10分間、「下がっている方の歯で」ガムを噛むようにしてみてください。毎日続けて、いずれ高さが同じになったら、ガムも両方の歯で噛むようにしましょう。
また左右の高さが揃っていた人も、毎日噛むことで表情筋を使った筋トレ効果も期待でき、しわやたるみ予防にアプローチしてくれますよ。
10分ガムは、今日やっても明日は何も変わりません。ですが毎日続けた人と続けなかった人の5年後、10年後は、きっと大きく違うはず。現に、片方の歯ばかりで噛み続けた女性は、しわの数に大きな差が生まれたわけですから。
10分ガムをやってみよう！
では、10分ガムのやり方です。ポイントは三つ。
1.10分間ガムを噛む
鏡チェックで左右差があった方は下がっている方の歯で、そろっていた人はバランスよく両方の歯で、10分間ガムを噛みましょう。
2.夕食の10分前に噛み始める
夕食の10〜15分前からガムを噛み始めることで、神経ヒスタミンが分泌。満腹中枢を刺激して、食欲を抑えてくれます。
3.食事は両方の歯で噛む
毎日の食事は、両方の歯でしっかり噛んでください。大切なのは、習慣づけること。「食事は両方の歯で噛む」というクセをつけてくださいね。
ガムの糖分が気になる人は、歯の健康に特化したガムも売られていますので、試してもよいかもしれませんね。私の場合、人工甘味料が入ったものは極力避けますが、それ以外は特に気にしていません。その時の気分でミントやグレープフルーツなど味を変えると、気分もリフレッシュ！毎日楽しくガムを噛んでいます。
お手軽でハッピーに美しくなれる10分ガム。ぜひ試してみてくださいね。
次回は、後編。10分間ガムを噛むだけで、「ストレスコントロール」と「ダイエット」になるお話です。
【参考文献】
1）R Thornhill , S W Gangestad,(1993)Human facial beauty : Averageness, symmetry, and parasite resistance.Hum Nat
4(3)p.237-69.
2）Anthony C Little , Benedict C Jones.(2006)Attraction independent of detection suggests special mechanisms for symmetry preferences in human face perception.Proc Biol Sci273(1605)p.3093-9.
3）Nicholas Pound , David W. Lawson , Arshed M. Toma , Stephen Richmond , Alexei I. Zhurov,Ian S. Penton-Voak(2014)Facial fluctuating asymmetry is not associated with childhood ill-health in a large British cohort study.Proc Biol Sci281(1792)p.20141639.
4）Rolf Reber , Norbert Schwarz, PiotrWinkielman(2004)Processing Fluency and Aesthetic Pleasure:Is Beauty in the Perceiver’s Processing Experience?.Pers Soc Psychol Rev8(4)p.364-82.
