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六車奈々『時間割美容 夕食が遅くなるときは、分食すると美を保てる!』

「仕事が長引いて、夕食が22時になってしまった!」

なんてこと、ありませんか?
仕事や習い事などで夕食が遅くなってしまうと、お腹もペコペコ。
「こんな時間に食べ過ぎちゃいけない」とわかりつつも、食欲が止まらないことってありますよね。

夕食が夜遅くなってしまうとき、食事はどう工夫すれば良いでしょう?
今回は、ウェイトコントロールをしながら、心もお腹も満たされる「分食」のお話です。分食は、私が勉強している「時間栄養学」で知った食事法です。私も実践していて本当に良いので、ぜひ参考にしてくださいね。

 

夜遅くなる時は、「分食」をしよう!

夜が遅くなってしまう時は、分食がおすすめです。つまり夕食を分けて食べるのです。
具体的には、こんな感じです。

 

分食のやり方

・18時くらいに、おにぎりやサンドウィッチを一つ食べて小腹を満たしておく

・夜遅く帰宅してからは、消化の良いおかずを食べる

 

消化の良いおかずとは、野菜や魚中心の、胃に負担がかからない食べ物のことです。ステーキや揚げ物など、消化に時間のかかるものをガッツリと夜遅くに食べてしまうと、太りやすいだけでなく、胃腸にも負担がかかってしまいます。また夜遅くのガッツリ炭水化物も、私はオススメしません。血糖値を下げてくれるインスリンというホルモンは、夕方以降分泌が少ないため、太りやすくなっているからです。

 

では、分食のメリットはいったい何でしょう?
私は、「ダイエット」と「体内時計のリセット」だと思っています。

分食のメリット1 ダイエット

夕食が遅くなるのに分食をしない場合、昼食から夕食までの時間がたっぷりと空いてしまうことになります。お腹がペコペコになってしまってからの食事は、理性では止められないほど、えげつないことになってしまいませんか?(笑)「ラーメン&炒飯に唐揚げ!」なぁんてことにもなりかねません。

 

 

長い空腹後に炭水化物をドカ食いしてしまうと、血糖値の急上昇が起こります。特に夕方にはインスリンの分泌が少なくなっているため、「より太りやすい」ということになってしまうのです。その点、分食で夕方におにぎりなどの炭水化物を食べておくと、「お腹が空きすぎて、つい食べ過ぎてしまった」ということを抑えてくれます。これだけでも、大きなメリットがあり!なのです。

夕方に、おにぎり1個程度の炭水化物を食べても、寝るまでにはエネルギーとして消費してくれますので心配いりません。そもそも仕事などで夕食が遅くなるわけですから、帰宅までの「もう一踏ん張り」のためにも、ここで糖質を脳に送ってあげることは、私はとても大切だと考えています。

こうして夕方に一度軽く炭水化物を食べておくことで、ガツガツした食欲は回避できます。帰宅後はゆったりとした気持ちで、前菜のような軽いメニューや煮物、お味噌汁、お刺身、焼き魚など、軽い食事を楽しめますよ。私はここに、お酒を必ずプラスしますが(笑)

 

夕食はなるべく寝る3時間前までに食べ終えるのが理想ですが、難しい場合でも分食をすることでウェイトコントロールは可能になります。私は不規則な仕事をしているので、「仕事から帰宅したら22時だ!」なんてこともありますが、そんな時は、やはり分食をしています。

分食のメリット2 翌日も絶好調!

 

1日を元気に楽しく、お肌も絶好調に過ごすために、最も大切なことはなんでしょう?

そうです。コラムで何度もお伝えしてきた「体内時計のリセット」です。
人間の体には二種類の体内時計「脳(中枢時計)」と「脳以外の全身(末梢時計)」があり、両方の体内時計をしっかりリセットできた日は、心も体もお肌も絶好調!仕事もプライベートも、充実した一日を送ることができます。体内時計のリセットについて詳しく知りたい方は、こちらをご覧くださいね。

体内時計のリセットに必要なのは、「朝日+朝食」です。朝日を浴びてから1時間以内に朝食(炭水化物+たんぱく質)を食べることで、脳と全身、両方の体内時計がしっかりリセットされます。

 

 

このとき注意したいのが朝食です。朝食は、単に食べれば良いわけではありません。というのも、日本語では「朝食」ですが、英語では「breakfast」と言います。「fast(絶食)」を「break(壊す)」のが朝食です。前夜からの長い絶食明けに朝食を摂ることで、朝日を感じることのできない全身の末梢時計が「朝が来た」ということを知り、体内時計をリセットするのです。

つまり前夜遅くにドカ食いをしてしまうと、「長い絶食時間」を作れないまま朝を迎えることになってしまいます。この状態で朝食を摂っても「breakfast」にはなりません。すると、全身にある末梢時計は朝が来たことを知ることができないので、末梢時計はリセットされないまま。結果、朝日を見て体内時計をリセットした脳(中枢時計)と、朝が来たことを知らない全身(末梢時計)で体内時差ボケが起きてしまうのです。

体の中で時差ボケが生じてしまうと

・寝たのに体がだるい、スッキリしない
・イライラする
・やる気が起きない

などの不定愁訴だけでなく、今では生活習慣病につながることがわかっています。

 

美と健康の基本は、体内時計のリセットです。夜の「メンテナンスモード」になっていた体を、朝の「活動モード」にしっかりと切り替えるためにも、分食は非常に大切です。

 

ちなみに「長い絶食明けの食事」が、末梢時計をリセットするとお伝えしました。ということは分食をしない場合、昼食から夕食までに「長い絶食時間」が生まれ、絶食後に食事を摂ることになります。すると末梢時計は、「長い絶食後に食べ物が入ってきたぞ!朝が来たんだ!」と勘違いして、体内時計をリセットしてしまうのです。その結果、末梢時計自体が後ろにずれてしまい、体内時差ボケが起きてしまうのです。

つまり「長い絶食明けの食事」がメリットあるのは、朝食だけ。それ以外に「長い絶食時間」を作らないことが大切です。だからこそ「3時のおやつ」は、体内時計の点からも、ダイエットの点からも、意味があるのですよ〜。日常生活の中で「絶食」と「食事」の関係を意識することなどほとんどないと思いますが、実はとても大切なことなのです。

 

美と健康の基本は、

「決まった時間に一日三食。量は朝:昼:夕=4:3:3」

が、時間栄養学では最も理想的だといわれています。ですが忙しい日常生活の中では、なかなか難しいですよね。そこに縛られてしまうと、食事自体がストレスになってしまいます。

「夕食が遅くなる時は、分食!」

たったこれだけで
ストレスなく、
太る心配もなく、
夕方以降の仕事や勉強も電池切れすることもなく、
翌朝の体内時計リセットに影響する心配もなく、
夕食を摂ることができます。

ちょっとの意識で日常が変わってきます。
ぜひ、「夕食が遅くなる時は、分食!」を思い出してくださいね。

 

【参考文献】
佐々木裕之「腸内細菌叢の時間栄養学的研究」日本時間栄養学会「時間栄養学研究の最前線(2021 Vol.1 No.1)」
Tamura, K., Sasaki, H., Shiga, K., Miyakawa, H. & Shibata, S. (2019) The Timing Effects of Soy Protein Intake on Mice Gut Microbiota. Nutrients 12.
大塚邦明(2012)『体内時計の謎に迫る』技術評論社
柴田重信 小田裕昭 加藤秀夫 堀江修一 榛葉繁紀 香川靖雄(2009)『時間栄養学』女子栄養大学出版部
古谷彰子著 柴田重信監修(2017)『食べる時間を変えれば健康になる』ディスカヴァ-・トゥエンティワン
田原優(2019)『体を整えるすごい時間割』大和書房
産業技術総合研究所(2007)『きちんとわかる時計遺伝子』白日社
日本時間生物学会誌「時間生物学」Vol.19,No.1(2013)羽鳥恵『外界刺激による概日時計の調節機構』http://chronobiology.jp/journal/JSC2013-1-003.pdf 2022.8.19.アクセス

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