これまで3回にわたってお届けしてきた10分ガムですが、今回で最後になります。
※まだ読んでいない方はこちらから。
「10分ガム ①左右対称!美人顔になる」
「10分ガム ②しわ、たるみを予防する」
「10分ガム ③幸せホルモン・セロトニンを増やす!」
10分ガムとは、毎日ある時間帯に10分間ガムを噛むだけで、
・左右対称の美人顔になる
・しわ、たるみを予防できる
・幸せホルモンが増える
・ダイエット
と、嬉しいことがたくさん期待できます。
簡単に実践できることから、朝ゴマトマトに次いで人気のある時間割美容です。
最後は、「ダイエット」についてお話ししましょう。
咀嚼の効用 ひみこのはがいーぜ
子供の頃から「よく噛んで食べなさい」と言われてきた方は多いと思いますが、噛むとどんな良いことがあるのでしょう?咀嚼の効用について、学校食事研究会がわかりやすい標語を作っています。子供向けに作っているものではありますが、大人にも当てはまることがありますのでご紹介しますね。
ひみこのはがいーぜ
『ひ』・・・肥満予防
よく噛むことで、食べ物を十分に摂取したという満足感が得られ、肥満予防に。
『み』・・・味覚の発達
よく噛むと素材そのものの味がよくわかるようになり、子どもの味覚の発達につながります。
『こ』・・・言葉の発音はっきり
よく噛むことで顎が発達し、歯が正しく生え揃い、噛み合わせも良くなります。すると自然に正しい口の開き方ができ、正しい発音ができるようになるといわれています。
『の』・・・脳の発達
咬合力の強い子ほど、幾何図形のテストの点数が高いことを示すデータがあります。
『は』・・・歯の病気予防
よく噛むと顎が発達するので、歯がきれいに生えます。また歯の根がぐっとはって磨きやすくなり、むし歯や歯周炎、歯槽膿漏予防になります。
『が』・・・ガン予防
発がん物質は唾液に30秒つけておくと毒消しの効果があるとか。よく噛むと唾液がよく出て、食物と混ざり、がん予防に役立ちます。
『い』・・・胃腸快調
よく噛むことは消化吸収をよくし、胃腸の働きを活発にします。
『ぜ』・・・全力投球
歯並びと運動能力には関係があることがわかっています。歯を食いしばると、力が出ますよね。よく噛んでいれば力がみなぎり、日常生活への自信も生まれてきます。
こんなにも良いことがあるのですよね〜!
この中で、今回注目したいのが、『ひ』・・・肥満予防です。
よく噛むことは、どうしてダイエットにつながるのでしょうか?
神経ヒスタミンの作用
食べ物をしっかりと咀嚼すると、その信号が脳へと伝わり、ヒスタミン神経が活性化します。すると、ダイエットに嬉しいことが起きるのです。
食欲を抑える!
脳内で分泌された神経ヒスタミンが満腹中枢を興奮させ、食欲が抑制されます。つまりよく噛んで食べることで、摂取エネルギーとは無関係に満腹感が感じられるということ。
脂肪分解、中でも内臓脂肪を特異的に減らす!
しっかり咀嚼することで神経ヒスタミンが量産されると、満腹中枢を介して交感神経の中枢を刺激し、脂肪を燃焼するように働きかけます。中でも内臓脂肪を特異的に減らすことがわかっています。
つまり、しっかり咀嚼するだけで、ダイエットにつながるということ。
そこで私がオススメしているのが10分ガムなのです。
10分間ガムを噛むことで、脳から神経ヒスタミンを分泌できます。
では、ここで六車奈々の時間割美容。
いつ、ガムを噛むのが美容に最も効率良いでしょうか?
夕食の10分前に噛もう!
1日の中で、最も食事量を減らしたいのは夕食です。
というのも人間の体は、
・日中は活動のため
・夜はメンテナンスのため
に生体機能がプログラミングされているから。事実、血糖値を下げるインスリンというホルモンも、活動する日中にはたくさん分泌され、体を休める夜には減ることがわかっています。つまり、活動しない時間帯である夜に沢山食べてしまうと、
・太りやすい
・体内時計を後ろにずらしてしまう
など、美と真逆の方向へいってしまうのです。
とはいえ、食事量が増えてしまうのも夕食。一日が終わり、ホッと一息ついての夕食は、ついつい食べすぎてしまいますよね。だからと言って、「食べすぎちゃだめ!」と我慢ばかりしていると、それ自体がストレスになってしまいます。
そこで、夕食前の10分ガムなのです。夕食の10分前に10分間ガムを噛むと、ちょうど夕食を食べる頃に脳内に神経ヒスタミンが分泌。満腹中枢を刺激してくれますので、我慢をせずに食べ過ぎを防止できます。
時間栄養学の第一人者である早稲田大学理工学術院の柴田重信教授は、
一日の食事量は『朝:昼:夜=4:3:3』
が理想的とご著書の中でも仰っています。
続けるためには、無理をしないこと。無理や我慢をせずに食事量を減らせる10分ガムは、本当におすすめです。
10分ガムをやってみよう!
ということで夕食前にガムを噛んで、満腹中枢を刺激しましょう!
六車奈々の10分ガム、ポイントは3つです。
1 食事は両方の歯で噛む
毎日の食事は両方の歯でしっかり噛んでください。大切なのは、習慣づけること。「両方の歯で噛む」というクセをつけてくださいね。
2 毎日10分間、ガムを噛む
毎日10分間、両方の歯でガムを噛んでください。10分ガム③でお伝えしているセロトニンは、疲れるほど続けてしまうと分泌されなくなるので、10分間で大丈夫。これを毎日続けることが大切です。
※10分ガム①の鏡チェックで左右差があった方は、下がってる方の歯で噛んでください。
3 夕食の10分前に噛み始める
夕食の10分前に10分間ガムを噛むことで、脳内から神経ヒスタミンが分泌され、満腹中枢を刺激。我慢しないで食事量を減らすことができます。(夕食は三食の中で一番少ないのが理想)
努力も手間もいらない10分ガム。
「たったこれだけ?」と思うかもしれませんが、大切なのは、毎日続けること。毎日続けた人と続けなかった人の5年後、10年後は、きっと大きく違っていると思います。
美と健康、さらにメンタルケアのためにも、ぜひ続けてみてくださいね。
〈参考資料〉
大塚邦明(2012)『体内時計の謎に迫る』技術評論社
古谷彰子著 柴田重信監修(2017)『食べる時間を変えれば健康になる』ディスカヴァ-・トゥエンティワン
田原優(2019)『体を整えるすごい時間割』大和書房
香川靖雄(2009)『時間栄養学』女子栄養大学出版部
明石真(2013)『体内時計のふしぎ』光文社新書
産業技術総合研究所(2007)『きちんとわかる時計遺伝子』白日社
坂田利家『Brain Foodsとして有用な日本食』 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jisdh/16/1/16_1_4/_pdf 2021.11.26.アクセス