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石川小百合「思いが伝わるトークの魔法」 #3 リモート時代こそ超重要!メールが好印象になるクッション言葉の簡単テクニックとは~

新しい生活様式が定着して随分たちましたね。
在宅勤務の人も多くなり、お互いに顔を合わせずにメールだけでやり取りをすることも格段に増えたという方も多いのではないでしょうか?
もちろん、私もその一人です。そんな日常の中で、ふとこんなことを感じました。


「顔が見えないメールのやり取りでは、対面で話す以上に細やかで柔らかい表現が必要なのではないか」
と。

 

対面で人と話す時には、相手に不快な思いをさせないように、結構気を使って話しますよね。ところがメールでのやり取りになると、形式にとらわれすぎてしまうせいか、時にはそっけなく、時には慇懃無礼に、そして場合によっては上から目線に感じてしまうことが多いなと、最近つくづく感じています。
皆さんはいかがでしょうか?


とはいえ、前回、「短い言葉で話した方が印象に残る」という話をしたばかり。
解っているんです!解っていますとも!
それはそうなんですが、必要な事だけを端的に伝える時にも、それを柔らかくソフトに、あるいは謙虚に伝えるための魔法の言葉が日本語にはあるのです。
それが、いわゆる「クッション言葉」といわれるもの。

 

クッション言葉とは?


クッション言葉とは、人にお願いをしたり、あるいは頼まれた事をお断りをしたり、自分の意見を主張したりする時に、やんわりと伝えるためにチョイチョイ挟む言葉です。オフィスの新人研修や、接客・コールセンターなどの研修を受けたことがある方はよくご存じかもしれません。
具体的には、

「恐れ入りますが」
「お手数をおかけいたしますが」
「申し訳ございませんが」
「もしよろしければ」

というような類のアノ言葉です。


ビジネスメールを頻繁にやり取りしている方は、「そんなの当たり前に使っているでしょ?」と思われるかもしれませんが、相手に伝わる際、それが本当にクッション言葉として機能しているでしょうか?
例えば、最近よく見かけるのはこのようなメール。

 

○○さん

 

お疲れさまです。

表題の件、下記のように決定いたしましたので、ご報告いたします。

 

(報告文)

 

つきましては、○○さんにこれこれこのようにして頂きますようお願いします。

 

以上、お手数ですが、どうぞよろしくお願いします。

 

△△

 

このメールを見て、どんな印象を受けますか?

私のもとには、このような形式のメールが年齢や社歴、立場も関係なく、毎日のように送られてきます。このメール自体は、決して間違っていません。でも、もう少し文章の中に優しさや柔らかみを添えることができたら、リモート時代のコミュニケーションがもっと円滑になるではないかと思うのです。

このメールの中でクッション言葉と呼べるものは、最後の一行、
「以上、お手数ですが、どうぞよろしくお願いします」の部分だけ。

クッション言葉とは、柔らかい真綿のような表現を、言葉と言葉の間にチョイチョイ挟むことで、やんわりと自分のお願いや主張を聞き入れてもらうためのツールです。でも、この文章だと、せっかくのクッションのふんわり感があまり感じられないような気がしませんか?


対面の会話でこのような話し方をする人はめったにいないですよね。
ところがメールとなると、本人にはまったく悪気がないのにこのようになってしまうようなのです。クッションの挟みすぎも気持ちが悪いものですが、もう少し適度に上手に挟めたら良いですよね。

 

クッション言葉の効果的な使い方

 

私はあるコールセンターでトレーナーをしていたことがあります。コールセンターは顔が見えない分、一言一言に細心の注意を払わないと、お客様の気分を害してクレームに繋がってしまうことがあるため、私はクッション言葉に関しては特に気を付けてトレーニングをしていました。

クッション言葉について、書き連ねていくとキリがないのですが、今回は、
これを一つ押さえておくだけで、かなり印象が変わる」というポイントをお伝えします。

 


私が経験上、一番気を付けているのは、
相手にお願いをする時
例えば、「~して頂きますよう、お願いします」が基本形だとします。上記のメールでも、このまま基本形で使われていますが、これをクッション言葉を入れてソフトにすると

「恐れ入りますが、~して頂きますようお願い致します」

ですよね。

でも、私は更にソフトにやんわり伝えるようにしています。
するとこうなります。


「恐れ入りますが、~して頂いてもよろしいでしょうか?」
「お手数をおかけしますが、~して頂けますと大変ありがたいです(ありがたく存じます)。」
「ご迷惑でなければ~して頂けると幸いです。」

 

これは、クッション言葉+疑問形・仮定形セットで使うという手法です。
「恐れ入りますが~して頂きますようお願い致します」だけの場合だと、まだ「やってくださいね」という強制的・命令的なニュアンスが多少残るのですが、
「恐れ入りますが~して頂いてもよろしいでしょうか?」のようにクッション言葉と疑問形とセットで使うと、それらの感じがかなり弱まりますよね。

また、
「お手数をおかけしますが、~して頂けますと大変ありがたいです。」
「ご迷惑でなければ~して頂けると幸いです。」
は、英語でいうとIf you could ~とか、Could you ~という感じでしょうか。
「もしやって頂けたら、ありがたい」というニュアンスで、やはり命令的な感じがグッと薄まりますよね。

 

接客の現場でよく耳にする「少々お待ちくださいませ」という表現。
実はこれはNGです。では、どう言えば良いのでしょうか?

「恐れ入りますが、少々お待ち頂いてもよろしいでしょうか?」

が正解です。

 

メールの文章を書く際もこれと同じだと思うのです。
お願いをする一文に、こういった言葉を使うだけで、文章全体の印象が随分変わります。
試しに、この方法で、先程のメールを書き換えてみます。

 

○○さん

 

お疲れさまです。

表題の件、下記のように決定いたしましたので、ご報告いたします。

 

(報告文)

 

つきましては、恐れ入りますが、○○さんにこれこれこのようにして頂いてもよろしいでしょうか?

 

以上、お手数ですが、どうぞよろしく願いします。

 

△△

 

いかがでしょう。
お願いしたい部分にクッション言葉を一つ加えただけで、全体の印象、ひいては、文章を書いた人の印象が随分違って見えませんか?

 

 

クッション言葉は対面のビジネスシーンでも非常に役立つものですが、こんなご時世だからこそ、一通のメールの中にも、普段より少しだけ細やかな気遣いが出来たら、もっと気持ちよくコミュニケーションが図れるかもしれませんね!

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