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9月の『ななたび!』は、神田明神さん。
今週は、私が聞きたかった2つの質問を、禰宜の岸川さんにお伺いしました。
神田祭
1つ目は、神田祭について。
六車:神田明神さんには、大きなお祭り『神田祭』がありますよね?
岸川さん:現在は二年に一回行われますが、江戸三大祭り、もしくは日本三大祭りの一つとして、マスコミの方にも取り上げて頂いています。
六車:関ヶ原の戦いも関係しているとか?
岸川さん:はい。徳川家康公が関ヶ原の戦いに臨んだ際に、戦勝祈祷を神田明神に命じるんですね。そして9月15日に勝利をしますが、それが神田祭の日だったんです。
六車:たまたま?
岸川さん:ええ。そこで非常に縁起がいいということで、『以後、絶やすことなくお祭りを行うように』と、御神輿の部分は江戸幕府が新調や修理など、お金を出してきました。
そこから『天下祭り』という言い方もされるようになります。
いやぁ。本当にすごい話。
スケールが大きすぎる!
この神田祭は、江戸城の中に入って、徳川将軍がご覧になることもあれば、
御台所(徳川夫人)や徳川家の嫡子(子供たち)が、江戸城にある上覧所でご覧になったという記録もあるそうです。
神田祭というと、現在は御神輿が沢山出て、賑やかなお祭りを想像しますが、
江戸時代は、御神輿は2つだけだったそうです。
江戸東京博物館にて撮影
その他に出ていたのは、山車とつけ祭り(余興として引き出す踊り屋台)でした。
こちらが、山車。
江戸東京博物館にて撮影
人気があったのは、つけ祭りの行列。
菊川英山『風流神田御祭礼』(神田神社資料館にて、岸川さん立会いのもと撮影)
つけ祭りは、町の氏子がくじ引きを引いて、当たった人が出ていました。
18~19歳くらいまでの女の子が沢山出ていて、
踊ったり、演じたり、歌舞伎で演奏しているプロのお囃子の人たちとコラボをしたそうです。
岸川さん:今で言うと、AKBでしょうか(笑)
そりゃあ、女の子たちが華やかに流行の音楽などを楽しんでいる行列が出れば、人気ありますよね~。
いやぁ、私も神田祭を生で見てみたい!!!
来年は、ぜひ参加したいなぁ!!!
神田明神さんが、現在進行形なワケ
私が、もう一つお伺いしたかったのは、こちら。
神田明神さんは、なぜ、面白いことを沢山しているの???
です。
神社といえば、歴史的な場所。にもかかわらず、
たとえば初代タイガーマスクの方とコラボで歴史を紐解いてみたり、
アニメとコラボしたり、
積極的に面白いことをされています。
なんで???
どういう意図で???
岸川さん:神社って、歴史的な部分ばかり注目されますが、実は現代文化なんです。お参りに来る人は現代人。
今の願い、あるいは感謝を持ってお参りに来るわけですから、
『現代文化』も文化として受け入れるというのは、僕は当然だと思います。
!!!!!!!!!!!!!!
なるほど~~~~~!!!
そういうことなのか!!!
いやぁ。私は、全くもって前者でした。
神社は歴史あるものだからこそ、それを堪能しながらお参りする場所だとばかり思っていました。
でも、岸川さんのおっしゃる通りだ!!!
今、私たちが生きている『現在』も、未来の人たちにとっては『過去』になる。
その時、「あの時代は、過去の歴史ばかり振り返って、文化が何も無かったよね~。」
なんて言われたら、こんな悲しいことはない!!!
岸川さん:そういうことです。例えば神田祭も、江戸時代は山車やつけ祭りが出ていましたが、大正時代になると御神輿が沢山出る神田祭に変化します。『神田祭』とひとことで言っても、色々な形があり、それが神田祭の『伝統』なんです。『伝統』とは、その時代によって、新たに作りかえられるもの。その時代の人たちが賑やかにお祭りをした証拠がどんどん残っていき、それが続いて『神田祭の歴史』になる。ですから現代の人たちも、文化を作る重要な担い手なんです。
六車:確かに!!!年々どう変化していくか、その変遷も面白いですものね。
岸川さん:そうですね。昔のままで維持していこうとすると、辛いものがあります。小さい工夫から大きな変革まであると思いますが、皆さん色々工夫してやってますよね。
そうか~。
だから神田明神さんは、色々な面白いことをされているのか~!!!
素晴らしい!!!
たとえば神田明神さんのHPを拝見すると、神主体験の案内が!!!
岸川さん:日本人なら、一回くらい着てみてもいいんじゃないかなぁと。例えば『大麻(おおぬさ)』も、どういう意味があるのかとか。深くは知らなくて良いと思いますが、身をもって、また知識として、少しずつ積み重ねていって、知ってもらいたいなぁと思うんですよね。
また、神田明神さんはアニメ『ラブライブ』とのコラボも印象深いですが、
実は、平成11年くらいから、
リカちゃん~~~~~~!!!!!!
リカちゃんが、巫女さんの格好をしてる~~~~~!!!
その他にも、『ケロロ軍曹』や『かいけつゾロリ』などなど。
本当に、開放的な神社だ。
さらに、『銭形平次』の記念碑が!
岸川さん:架空の人物の記念碑が作られたんですよね(笑)
ホントだ(笑)
おもしろすぎる。
岸川さん:俳優さんたちがいらして『銭形祭り』をやったり、僕が生まれる前から『笑点』の大喜利をやっていたり、ドラマ『ロングバケーション』のオープニングロケも、神田明神です。
そういった受け入れを、我々の先輩もずっとやってきたので、僕らにとっては『コラボ』というのは、一連の取り組みの一つなんです。
六車:よ~くわかりました!最近になって新しいことを始めたのではなくて、常にその時代の文化と共に、神田明神さんがある!ということなんですね。
まさに、温故知新だ。
古き良き時代も大切にしつつ、
今の時代の新しい文化も大切にし、
確実に文化を継承している。
実のところ、コラボだけではなく、境内には文化交流館「EDOCCO」という立派な建物があり、
こちらでは、もちろんお札やお守り、お土産なども購入できるのですが、
おもしろいのが、中のカフェ。
『神社声援』と書いて、『ジンジャーエール』(笑)
さらに、
豚の生姜焼きが、『ポーク神社』(笑)
おもしろいやないか~い!!!
ということで、私も『ポーク神社』を頂くことにしました。
ボリュームたっぷり!
お肉も肉厚で、美味しかった~。
雑穀米を選べるのも嬉しい。
いやぁ。今回のお話をお伺いして、
神田明神さんのエネルギーはスゴイなぁと、改めて思いました。
そして岸川さんとの出会い。
私がこれまで知らなかったことや、新たな視点でのお話を、沢山教えていただきました。
岸川さんのお話があまりにも面白すぎたので、こちら購入いたしました。
岸川さんワールドをコアに楽しめて、面白いです!!!
ご興味のある方は、ぜひ!
神田明神さん、岸川さん、
貴重なお話を教えて頂きまして、本当にありがとうございました。
将門塚へ
神田明神さんでの取材を無事に終えた私は、その足で将門さんの首塚へと向かいました。
二駅ほどで、あっという間に大手町駅に到着。
将門塚へはC5出口からですが、見てください。
いかに凄いところに将門塚があるか、この案内を見るだけでもわかりますよね。
地上に出ると、一分で将門塚に。
神田明神さんの幟も。
オフィスビルが立ち並び、
通りの向こうには皇居があって。
物凄く高いビルが両脇にあり、
その間に、将門塚はあります。
これは、将門塚から真上を見上げた景色。
私はこれまで何度もお参りに来させて頂いていますが、
将門塚が無人だったことがありません。
いつもいつも、必ず誰かがお参りに来ていて、
やはりこの日も、何人もの方が来られていました。
もくもくと煙を立てるお線香。
私も、心静かにお参りをさせて頂きました。
将門様!!!ありがとうございました!
将門塚までなかなか足を運べない方のために、こちらを載せておきますね。
さて。来週は、神田明神さん近くのグルメ。
江戸時代から続くお店で、これまた凄いお話を聞いてしまいましたよ~!!!
どうぞお楽しみに!